次の違いが説明できるのなら、第一の壁は突破しています。題材は中学数学ですが、高校数学にも通じます。
① 多項式 8x+5
② 方程式 8x+5=0
③ 関数 y=8x+5
④ 直線 y=8x+5
これら4つはとても似ていますね。特に③④の区別は難しいように思います。
まず①多項式
①~④の文字 x, \: y はすべて変数と呼ばれますが、このときの x は不定元という呼び名が相応しいと思っています。x に入るものを指定しない限り、8 と x の積に5を足したものでしかありません。とても無機質な感じです。
次に③関数
①の文字 x に入れるものを決め、それに対して値がただ一つ対応します。特に、関数という場合には実数(または 複素数)を想定し連続的な変化を考えます。なので文字 x を変数と呼ぶのがとても似合っています。例えば③の式は定義域を実数全体とする実数値関数です。関数には定義域が付きものです。
定義域は実数でなく整数でもいいのですが、その場合は関数でなく写像という語が使われることが多いようです。関数も写像も同じだと書かれていることが多いですが、上でも述べたように関数という場合には実数または複素数が想定されます。
注:複素数を定義域にした場合は複素関数と呼ばれます。大学数学の2,3年生で学びます。
そして②方程式
②, ④の式は方程式です。この場合の文字 x, \: y は未知数という呼び名が似合います。この2式は "(多項式)=0" と書け、ある特定の値に対してのみ等号が成り立つ式です。
②の場合は x=-\dfrac{5}{\:8\:}, ④の場合は無数にありますがどんな値ても成り立つという訳ではありませんね。例えば (x, \: y)=(-1, -3), (0, 5), (1, 13) などです。
注:さらに学びが進むとこの説明には瑕疵があるのですが、いまはこれで良しとします。
最後に④直線(図形)
③も④も同じ形で書いていますが大きな違いがあります。
③は上で述べたように x に対して y がただ一つ対応することを意味しています。
一方の④をきちんと書くと次のようになります。
\{(x, \: y) \mid y=8x+5 \:\: (x, \: y \in \mathbb{R})\}
この記号の意味するところは
方程式 y=8x+5 の解全体を座標とする点の表す図形
ということです。その図形が直線なので方程式の前に「直線」と書きました。
単に問題を解いているうちは大して問題にならないように思いますが、大学以降の数学をたのしもうと思ったらその式が何を表しているのかを確認しましょう。
いまはこう書いていますが、昔の自分はきちんと問題を読み取らずに解いていたように思います。それでも答えが合っていると解けたと勘違いしていたのです。
穴埋め問題では解けているかどうかの判断はできませんが、記述式のテストだとどれくらい理解しているのかが採点者には判ると思います。でも安心してください。厳しく採点してしまったら点数が悪くなってしまい受け入れ側にもマイナスにはたらきます。なので受験生には採点が甘くなりがちです。▢
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