現在、『数学事始め』では高校数学の場合の数の話を進めています。組み合わせまで進んだので、これを機に少し背伸びして大学以降の数学「組合せ論」を読んでみるのもおもしろいと思います。
高校数学「場合の数」の続きとして、次の本なら専門書ですが読めると思います。
[1] ラスロウ・ロバース 他 著『入門 組合せ論』(共立出版)
秋山 仁+ピーター・フランクル 翻訳
この本は絶版になってしまっているようで、中古本で手に入れるか図書館で借りることになると思います。
目次 1.集合と写像 2.組合せ論の基本的証明法 3.順列と組み合わせ
4.グラフ 5.グラフ因子 6.漸化式
第3章、第2章と読み、必要に応じて第1章を読むのがいいと思います。これまで集合や写像を学んだことがないと、第1章だけで辛く感じてしまいます。その後、第6章に飛ぶか、第4章、第5章と読むかです。
専門書の読み方は、謎の数学者さんの動画「数学に向かない人の数学書の読み方。数学者はこうやって読む」およびこの動画の概要欄にある動画がとても参考になります。
高校も含め学生時代にこの読み方を知っていたら、もっと数学をたのしめたように思います。現在、この読み方で専門書を読んでいます。これまでの読み方と比べると随分らくになりました。
上の本は絶版ですが、次の本なら現在(2022.8.1)でも入手可能です。
[2] 樹下 真一 著『組合せ論入門』(共立出版)
情報系の離散数学入門コースの教材としてつくられていて、この本でどのようなことを学ぶのかを知り、興味をもったらさらに読み進めていけばいいと思います。立ち読み、もしくは図書館で借りて取り敢えず読むというのもありです。
([1][3]の本は手元にあるのですが、この本は所有していないので各自で調べてください)
次の本は絶版ですが、場合の数の先に何があるかを大まかに知ることができる薄い本です。
[3] 野崎昭弘 著『組合せ論・グラフ理論』(日本評論社)
(現代応用数学の基礎シリーズの1冊)
第1章が組合せ論で、2節まででも十分おもしろいと思います。3節、4節は同値類、群、べき級数の知識が必要になります。その説明もあるのですが、一度も学んだことがなければ険しい道かと思います。
補遺
専門書によっては、その本で使用する知識を第1章で紹介していることがありますが、現代数学の基礎となる 微積分、線形代数、集合と位相、群と環 は各大学で参考書に挙げている本(各大学のHPのシラバスで確認できます)で学んだ方がいいように思います。名著と呼ばれる難しい本でなく、理工系向けと書かれている本で十分だと思います。その上でより詳しく知りたくなったら、それなりの本を読めばいいのだといまは思います。なお、洋書が読み難いのは最初だけです。日本語の方が分かり難いということは結構あります。ふだん数学者は英仏文に目を通しているので、日本語で数学を書くのが苦手なのだと思います。▢
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