問題 方程式 $|x-1|=2x+3$ を解け。ただし、$x$ は実数とする。
ふつうは次のように解きます。絶対値の中身によって場合分けをします。
解説1 i ) $x-1>0$. つまり $x>1$ のとき
$x-1=2x+3$,
$x=4$. ($x>1$ に反する)
ii ) $x-1=0$. つまり $x=1$ のとき
$0=2x+3$,
$x=\frac{-3}{2}$. ($x=1$ に反する)
iii ) $x-1<0$. つまり $x<1$ のとき
$-(x-1)=2x+3$,
$x=\frac{-2}{3}$. ($x<1$ に反しない)
よって
$x=-\dfrac{\:\:2\:\:}{3}$. ▮
グラフを利用して解くこともできます(※1)。
次のように 同値変形 で解くことも出来ます。
解説2 $|x-1|=2x+3$
⇔ $|x-1|^2=(2x+3)^2$ かつ $2x+3 \geqq 0$
⇔ $(x-1)^2=(2x+3)^2$ かつ $x \geqq \frac{-3}{2}$
⇔ $(3x+2)(x+4)=0$ かつ $x \geqq \frac{-3}{2}$
⇔ $x=\frac{-2}{3}$ かつ $x \geqq \frac{-3}{2}$
よって
$x=-\dfrac{2}{\:\:3\:\:}$. ▮
最初の同値は条件 $2x+3 \geqq 0$ によって成り立ちます。
⇐ を示すとき、両辺に $\sqrt{\:\:\:}$ を取りますが、条件 $2x+3 \geqq 0$ によって右辺が $2x+3$ になります。このとき、前回も使った
$\sqrt{A^2}=|A|$ ($A \in \mathbb{R}$)
を利用しています。2つ目の同値のときには絶対値の性質
$|A|^2=A^2$ ($A \in \mathbb{R}$)
を使っています。▢
※1 『理一の数学事始め』 の 20.30 をご覧ください。
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