高校数学Ⅲで学ぶ微分積分。難しいと聞いているかもしれませんが、実際は高校数学ⅠやⅡより学ぶのはやさしいと思います。それでも独学するとなると辛いものがあるので、その参考になればと思い書いておきます。
微分や積分の基本は数学Ⅱで終わっています。
微分は接線の傾き、積分は面積が基本イメージです。この辺りが怪しければ、数学Ⅱの教科書を読み直してください。微分係数のところと面積のところです。
数学Ⅲで学ぶ微分積分は「関数」「極限と級数」「微分」「微分の利用」「積分」「積分の利用」と分けられます。
「関数」というのは、分数関数・無理関数・合成関数・逆関数などですが、これは微分積分というよりもこれまで扱ってこなかった基本的な関数の残りと思ってください。以前は高校数学Ⅰで学んだ内容です。分数関数・無理関数は学びやすいと思います。合成関数・逆関数は微分でも登場するのできちんと理解したいところです。
「極限と級数」は、数列の極限・級数・関数の極限のことです。極限自体は数学Ⅱの微分で登場しました。このときの極限は関数の極限です。
すべての内容を修得するのは理想ですが、ここで抑えておきたいのは関数の極限です。次の「微分」および「微分の利用」で使うからです。数列の極限は関数の極限に繋がる内容なのですが、教科書では触れられていないようです。級数は積分の "区分求積法" で使います。一気に理解できない場合は、このときに見直せばいいと思います。
ここまで学ぶと計算量が多くなったことに気づくと思います。高校数学Ⅲは内容よりも計算量が圧倒的に多いのです。だから計算練習は必要になります。例題とその練習問題および節末問題がある程度の早さで解けるようになることを目標にしてみてください。
「微分」「積分」は基本公式を身に着けることが目標でいいと思います。先ほどと同じで、例題とその練習問題および節末問題がある程度の早さで解けるようになることが目安です。ややこしい計算は基本が身に付けば、解くのに時間は掛かると思いますができるようになります。
「微分の利用」「積分の利用」は数学Ⅱで学んだような問題が解けるようになるのが目標です。具体的に言えば
・増減表を書いて関数のグラフの概形が描けるようになる
・面積が求められる
を目標にしてみてください。これができれば極値、最大最小、方程式・不等式に関する問題、面積・体積・曲線の長さも解けるようになると思います。
最初は一通り目を通し、自分にとって修得しやすいものと修得し難いものが判別できれば2回目以降の読み直しがしやすいと思います。
最後に、独学で引っかかると思われるところを挙げておきます。
・級数 ・関数の連続性 ・中間値の定理 ・平均値の定理
・速度、加速度 ・近似式 ・区分求積法
関数の連続性、中間値の定理、平均値の定理を挙げたのは、これまでの関数はほとんどすべて連続関数を扱ってきていて、突然、不連続な関数としてガウス記号の入った関数を扱い混乱します(※1)。関数といえば連続関数だったので、中間値の定理や平均値の定理の有難みが分かり難いし、当たり前なんじゃないかと思ってしまうのです。関数の連続性を証明しろとなると困ってしまいます。数学オンチだった私は苦労しました。この辺りは指導者や数学のできる友だちがいるといいですね。
この辺りがスイスイ理解できるのなら、大学数学の解析系が楽に学べるように思います。▢
※1 ガウス記号の入った実数上で定義された関数 y=[x] は中学受験や難関校の高校受験では扱われ、グラフを図示すると階段状になるので階段関数とも呼ばれているようです。タクシーや小荷物の運賃料金として出題されます。
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