2022/01/01

年賀問題と整数論への招待


『理一の数学雑談』を読んでくれてありがとうございます。今年もよろしくお願いします。2022年がみなさんにとって素敵な年になりますようとの願いを込めて問題を奉納します。
                                  こと はじめ




問題をつくるのは難しいですね。

2022は合成数なので、とりあえず素因数分解して何ならかの性質がないか、平方数やべき和で表現できないかを考えました。おもしろそうな数の関係が見つけられなかったので


     ボツにした問題① 2022を2つの素数の和で表せ。

     ボツにした問題② 2022を4つの平方和で表せ。

     ボツにした問題③ 2022を異なる3つの平方数の和で表せ。


①②にしようと思ったのですが、たくさんの答えがありそうなのでボツにしました。

①はゴールドバッハ予想(未解決)です。小さい数なら真であることが確認されています。でも解くには素数の判断がめんどうなので素数表をみることになります。大きい方の素数から考えるとすぐにいくつか見つかりました。

②もよく知られている結果で、正の整数は4つの平方数の和で表せる(0を平方数に含める)というものです。これを解くのはとても計算がめんどうでそれだけのように思います。
これを解く1つの方法は、"4で割って1余る素数は2つの平方数の和で表せる" ということを知っていれば①の答えの中から 1 mod 4 なる素数を見つければ解決します。この方法ですべて見つかるかは分かりません。

③は②からの発想で、少しおもしろくできるかと思ったのですが...計算がたいへんです。
2つ見つけたところで止めましたが、時間を掛ければすべてみつけられそうです。


私の知っている数学者の一人は、「正の整数は4つの平方数の和で表せる」が切っ掛けで数学に興味を持ったとおっしゃっていました。3つだと表せない数があるのに、4つだとすべて表せるところに不思議さを感じ、さらにきちんと証明できる点にも惹かれたようです。

書きませんでしたが、"ピタゴラスの定理" の数学雑談にいいかもしれませんね。▢


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