問題が解けないとき、解けそうなのに解けないとき、理解できないとき、理解できそうで出来ないときなど、行き詰まったときにみなさんはどうされていますか。
まず、解けそうなのに解けないとき・理解できそうで出来ないときですが、私は次のようにしています。こういうときには少なくとも1時間は考えているので、一旦考えるのを止めてコーヒーを淹れて一休みするか、本を読むか、散歩するかして気分転換します。これまでのことを考えると、散歩のときに解けることが多いように思います。また理解する手掛かりを得ることもかなり多いです。
そして気分転換後にもう一度考え直してみて、解決しなかったら翌日以降に持ち越します。それが問題であれば脳に保存しておいて、風呂・トイレ・通勤通学などで考えます。大抵それで解けます。理解に関しては本を読んでいるということなので、一旦先に進んで章などの区切りがついたところで再び戻って考えます。このとき、参考になりそうな本があればそれを見たりしますが、結果的にはそれを見ているうちになぜか解決します。解けそう・理解できそうというのはそういうもののようです。
次に、問題が解けないときですが、大抵問題自体を理解しきれていないときが多いので、問題文を理解し直します。一文一文、一単語ごとに確認します。そうしてから何が判ればいいのかを結論から考えて、思い浮かんだ一つひとつを試してみます。それで解決しないなら、与えられた条件から導けるものを取り敢えず導いてみます。それでも解けない場合は先の場合と同様に脳に保存しておいて、ちょっとした時間を利用して考えます。
解けないときというのは、理解不足か知識が足りないかということなので、しばらくして考え直すと解けることが多いです。それまでに脳が整理されているのだと思います。それに加えて私が心掛けていることは、尊敬する数学者の一人から学んだ「考えれば解ける」です。ちょっとした会話の中で、「一君、考えれば解けるんだよ」とおしゃったことが切っ掛けです。その数学者は、その頃は年に何本か論文を書いていました。学会で発表されることもあり、さらに授業準備もとてもよくされていました。院生にもほどよい問題を与えていたようです。この「考えれば解ける」は数学者らしい言葉だと思います。
最後に、理解できないときは、何が解らないかを細かく分析します。どこまで理解できていて、どこで躓いているかを自分で考えて見つけ出します。この作業は初めはとても大変ですが、繰り返すうちにだんだんに慣れます。こうして分析しているうちに理解できるようになるので、苦にならなくなります。中高生だと先生に質問することで同じことができると思います。それは、教える方は何が解っていて何が解っていないかを分析しながら教えるからです。ただし、理解には時間が必要であることを忘れないでください。
この理解できなかったことが解る瞬間は最高に気持ちのいいものです。これは経験した人にしか味わうことができません。どれほど他人にとって簡単なことであってもです。
休憩や散歩については最初にしか書きませんでしたが、すべての場合に取り入れてます。将棋の対局を観戦していても、棋士はずっと盤の前に座って考えているのではなく、ときどき席を外しています。気分転換をしているのだと思います。将棋棋士の糸谷哲郎八段は、歩いている方が考えられるとおっしゃっています。
行き詰まったとき、これは成長する絶好の機会ですから、自分の能力を信じbreak throughしましょう。▢
伊原 康隆 著『志学数学』は以前にも紹介していますが、数学の仕方を教えてくれている本です。受験対策には役立たないと思いますが、数学をたのしみたい人には大いに役立つと思います。
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