現在、『理一の数学事始め』では、平面の幾何を連載しています。次の文は、合同記号の使い方を示すために書いたのですが...
"この約束に従うと、△ACE≡△CFAと書いてあったら、2つの三角形△ACEと△CFAは合同であり、3頂点A, C, EにはそれぞれC, F, Aが対応し、さらに3角に対し∠A=∠C, ∠C=∠F, ∠E=∠Aであり、3辺に対しAC=CF, CE=FA, EA=AC が成り立つことです。
このように書きましたが、この角の表現は混乱を招くので、∠A=∠C, ∠C=∠F, ∠E=∠Aでなく、それぞれ∠EAC=∠ACF, ∠ACE=∠CFA, ∠CEA=∠FACという表現の方がいいですね。" (9.10 平面の幾何(合同と合同記号の注意点)からの抜粋)
見直しをしていてふと思ったのです。自分で書いておきながら、△ACE≡△CFAを満たすような平面図形ってどんなのだろうと。
ここで問題です。
条件「△ACE≡△CFA」を満たす平面図形があればそれを図示し、なければその理由を述べてください。
この合同式△ACE≡△CFAを作るときに考えていたのは、同じ文字を2つ含めば、合同記号を正しく理解できるのではないかということです。実際、角の表現を頂点だけにすると、ややこしい問題が起こりそうですよね。3頂点を利用して表現する角の意義が確認できます。
さて、問題に当てはまる平面図形は描けましたか。こういうのを簡単に解ける人もいるのでしょうね。空間図形だったら、超かんたんなんですけど。
次の2つの図が考えられます。
イ)2点E,Fが直線ACに関して同じ側 ロ)2点E,Fが直線ACに関して反対側
『理一の数学事始め』の「平面の幾何」で、主な参考書を紹介します。
寺阪英孝著『幾何とその構造』(日本評論社)絶版
左)瀧澤精二著『幾何学入門』(朝倉書店)復刊
タイトルは入門ですが、ヒルベルトの幾何を意識した内容でもあり、大学1年生で学ぶ教養は必要かと思います。
教育学部で行われた授業を元に書かれているようです。中学高校の幾何には、大いに役立つと思います。
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