2021/05/01

数学の専門書を2次方程式の根の公式で説明すると...

数学の専門書というものを、2次方程式の根の公式でもって紹介します。 


話の前提:平方完成を利用して2次方程式を解く話が終わったあと。


もう少し良心的な専門書なら


裏に書いてある解答を見てみると

パターン1)問1 容易

パターン2)問1 省略

パターン3)(何も書いていない)

※2枚の画像はパワーポイントで書いたものです。見にくいと思いますが、ご勘弁ください。


数学の専門書は、こういう感じのものが多いと思います。解答が省略されたり、何も書いていなかったりするのは、これくらいは自力で解きなさいというメッセージなのだと思います。中には解答を書くのがめんどうだから書かないこともあると思いますが。

数学は、自分で考えないと出来るようにはなりません。受験勉強のときのように、参考書の解法パターンを覚えて解けるようになっても出来るようにはなりません。将棋AIがプロ棋士より強くなったこともあり、AIを利用して研究する棋士が多くなっということですが、AIの出す手順だけを暗記しても強くならないのと同じです。なぜそう指すのかは自分で考えないとならないのです。

自分で学びたいと思って数学書を買う場合は、評判などではなく、ある程度時間をかけて選びましょう。学生なら、大学の図書館を利用することができますね。町の図書館では、数学の専門書はほとんど置いていません。最近は、各大学のシラバス等がネットで閲覧できるので、そのシラバスで紹介されている本を選ぶという手もあります。数学の専門書を置いている書店はほとんどないですからね。▢


最後に、読みやすかった専門書を紹介します。

線形代数に関しては、佐久間元敬 共著『線形代数教科書』が調度いい読みやすさでしたが、絶版になっていたので、
左)三宅敏恒著『入門 線形代数』(培風館)を紹介しておきます。この本はかなり読みやすかったです。解答もていねいなので、高校参考書の延長のように思いました。『線形代数教科書』を読んだ後に、読んだからかもしれませんが。

中央左)石田 信著『代数学入門』(実教出版)は授業の参考書として指定されたものです。これで代数の初歩を学びました。

中央右)E.アルティン著『ガロア理論入門』(ちくま学芸文庫) 現在は文庫で売られていますが、東京図書から出されていたA5サイズを読みました。

右)松本幸夫著『多様体の基礎』(東大出版会) 正に、多様体の基礎を学ぶ本だと思います。ここでいう多様体は微分多様体です。代数多様体ではありません。

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