1,4,9,16,25,36,49,64,81,100,121,144,169,196,225,256,289,324,361,400,...
が四角数です。『理一の数学事始め』の因数分解では、平方数として紹介した数です。これらは小さい方から順に、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,...を2乗した数です。
なぜ「四角数」と呼ばれるのか。
1×1=1=1,
2×2=4=1+3,
3×3=9=1+3+5,
4×4=16=1+3+5+7,
5×5=25=1+3+5+7+9,
6×6=36=1+3+5+7+9+11,
............
右辺[1から順に並べた奇数の和]は真ん中の数になるのは、計算で確かめられます。左辺は真ん中の数が平方数であることを示しています。
次の図をみると、そのことがよくわかると思います:
左から順に、1、1+3、1+3+5、1+3+5+7を表しています。
碁石を1個、3個、5個、7個、…と " 」" の形に並べていくと、きれいに正方形状に並ぶことが確認できると思います。これにより、全部の碁石の個数は(1辺に並んだ碁石の個数)×(1辺に並んだ碁石の個数)で求められるます。だから、1から始まる奇数列の和は四角数であり、平方数なのです。
このことから、
1+3+5+7+9+11+13+15+17+19+21+23+25+27+29+31+33
を計算するのも簡単ですね。奇数が1から順に17個ならんでいるので、17×17=289です。
このような数の不思議を解明しようというのが、数論とか整数論と呼ばれているものです。小川洋子さんの小説『博士の愛した数式』は、その世界が描かれていますね(※1)。▢
YouTubeの動画でも説明しています。
※1 整数だからといって、整数だけを扱って研究している訳ではありません。抽象代数学(群・環・体など)を使わずに、整数の不思議を話している世界をみたいなら、
ハーディ,ライト 共著『数論入門Ⅰ,Ⅱ』(シュプリンガー数学クラシックス)
をご覧ください。
数学の本は高価なので、立ち読みか図書館で借りるなどして、気に入ったら購入し、じっくりと読んでみてください。
補遺
京大の望月氏の研究で判るように、数論の研究は整数の世界だけでは解明できないのです。整数論の研究というと、群・環・体→代数的整数論→高木類体論,複素関数論→解析的整数論→岩澤理論,代数幾何・楕円曲線論→数論幾何などがありますが、実際は、興味関心に惹かれ、研究を深めているようです。解析に秀でた同期の学生は、ζ(ゼータ)関数の本を読みこなし、Riemann(リーマン)予想の解明に興味を持っていました。■
加筆
左の本は 矢野健太郎著『すばらしい数学者たち』(新潮文庫)
私が所有しているのは昭和55年版で、表紙もまったく違います。その絵は、こちらの note で見られます。ピタゴラスの章の44ページから触れられています。この本で最初に知りました。
右は コンスタンス・レイド著『ゼロから無限へ』(ブルーバックス)
93ページからの『4の話』で触れられています。この本は、サブタイトル「数論の世界を訪ねて」から判るように、数論に興味がある人はたのしく読めると思います。
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