(再掲 その3)
△0から前後に同じ1~3だけ離れている数の掛け算の形なら、答えは
△×△ー(離れている数)×(離れている数) です。
例5.69×71 ➡ 69 と 71 は 70 から前後に1だけ離れているから
69×71=70×70-1×1=4900-1=4899.
(70×70-1×1を暗算して 4899 を出します)■
その3)の理屈は簡単で、展開公式の (a+b)(a-b)の利用です。a に当たるのが「△0」で、
bに当たるのが「離れている数」です。だから、平方数-平方数を計算したのです。
詳しくは、『4-6いまさらきけない多項式』または 動画『多項式の話⑥』をご覧ください。
(再掲 その1),その2)
その1)○5×○5(中学生以上なら○5の2乗)なら、答えは
○ と (○に1を足した数) を掛けた数と25を並べる。25は5×5の答えです。
例1.85×85 ➡8×9=72 ➡ 答えは7225.
その2)○△×○▢(ただし、△+▢=10)なら、答えは
「○ と (○に1を足した数) を掛けた数」と「△と▢を掛けた数」を並べる。
例3.47×43 ➡4×5=20,7×3=21 ➡ 答えは2021.■
理屈を説明する前に、2桁の数の仕組みを確認しておきます。
85、47、43 はそれぞれ
85=80+5=8・10+5、47=40+7=4・10+7、43=40+3=4・10+3 と表現できますね。つまり、十の位の数がaで一の位の数がbなら、10a+b と表現できるということです。
このことから、3桁の数は、百の位の数がa,十の位の数がb,一の位の数がcとすれば、100a+10b+c と表現できます。中高生にはテストで出される基本事項となります。
では、その1),その2)を説明します。
その1)○5 ➡ ○0+5 ➡ ○×10+5 ➡ 10a+5(aは十の位の数字)と表現できます。
したがって、
a・(a+1)が○と(○に1を足した数)を掛けた数です。これに100を掛けることで桁が2つずれます。これに25を足しているので、説明が終わりました。■
その2)○△×○▢ ➡ (○×10+△)×(○×10+▢) ➡ (10a+b)・(10a+c) と表現でき、
これに条件 b+c=10 が付きます。
a(a+1)が○と(○に1を足した数)を掛けた数です。これに100を掛けることで桁が2つずれます。これにb・cを足しているので、説明が終わりました。■
このように、なぜなのかを数式などで解明するのが数学です(※1)。最先端の研究をしている数学者は、上のように既存の事実を用いて謎を解明したり、既存の事実では解明しきれないために新しい数学を構築したりしています。私なんかは、先人の努力の結晶を鑑賞するので精一杯です。▢
【数学雑談】なぜそのように計算ができるのか(問題解決編)で動画がみられます。
(2021.3.14 9:17以降視聴可)
補遺 両方とも素人の私が言うのも何ですが、将棋と数学には似ているところがあるように思います。棋士は新手を生み出したり、新戦法を編み出したりしますね。新手に当たるのが新しい定理で、新戦法に当たるのが新しい数学の構築だと思います。
藤井猛九段の『藤井システム』は画期的でした。これに相当するのが、京都大学 望月新一氏の『宇宙際タイヒミュラー理論』でしょうか。よく知られたもので例えるなら『ガロア理論』かと思います。
「観る将」や「棋譜並べ」が私の数学鑑賞(数学書を読むこと)に当たり、「詰将棋」や「次の一手」に相当するのが入試問題や数学書の演習問題だと思います。
※1 他の分野でも似たようなことをしています。その場合、「数理」という語が付くようです。数理物理学、数理経済学など。理論物理学は数理物理学に含むものとします。尚、数学者の中にも物理との境界線を研究している人たちがいます。多分、分野というのは便宜的なものなのでしょう。「名付け」られると解かってないけど、わかった気になりますから。
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