余弦定理
の 2bc cosA って何なのだろうと思ったことはありませんか。それとも「定理なのだから考えるだけ無駄」なのでしょうか。
2bc cosA がなければピタゴラス定理の式なので、補正のためについていると考えられます。でも余弦定理を導くときにそれを感じられたでしょうか。頂点Cから垂線CHを下ろして△CAHに三角比を適用して、△CHBにピタゴラスの定理を適用すると導けました(※1)。
2bc cosA は計算したら出てきた、という感じですよね。
でも次のように考えると 2bc cosA の意味が感じられると思います。それには『数学事始め』の12.12ピタゴラスの定理【後】と同じ考え方をします。
でも次のように考えると 2bc cosA の意味が感じられると思います。それには『数学事始め』の12.12ピタゴラスの定理【後】と同じ考え方をします。
では考えやすい 角Aが鋭角の場合を考えてみます。
下の図の3直線CE、AF、BI は三角形ABCの3頂点から対辺に下ろした垂線です。また三角形の周りにくっついている四角形は三角形の辺を一辺とする正方形です。
このとき、左図では△DBC≡△ABG で、右図では△DBC≡△ABGです。いずれも二辺挟角相等によります。
最後に、次の図の黄色い2つの部分の面積を考えます。
AK=c, AE=ACcosA=bcosA;AL=b, AI=ABcosA=ccosA
AK=c, AE=ACcosA=bcosA;AL=b, AI=ABcosA=ccosA
であるから、2つの黄色い部分の面積の和は
c・bcosA+b・ccosA=2bc cosA.
これは角Aが鈍角の場合も同様に説明できます。
鈍角になると2頂点から対辺に垂線を下ろした場合、対辺の延長線上に下ろすことになるので、図が重なることを避けるために別々に書いて考える方がいいと思います。これは各自で確かめてみてください(※2)。理解を深めるのにいいと思います。▢
※1 詳しくは『数学事始め』の12.27余弦定理をご覧ください。
※2 自身でやってみると判りますが、上の部分と大きく異なってみえるのは補正部分です。角Aが鈍角なので途中 cos(180°-θ) を考えることになります。最終的には
cos(180°-θ)=-cosθ
を用いるので余弦定理の式が得られます。
動画では鈍角の場合も説明しているので、参考になると思います。
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