黄金比はフィポナッチ数列にも現れるのですが、相似に関係する話だけに留めます。
正五角形のすべての対角線を結ぶと五芒星が現れますが、同時に黄金比もしくは黄金分割が現れます。また、長方形からその長方形の縦または横を一辺とする正方形を切り抜き、残った長方形が元の長方形と相似になるとき元の長方形は縦と横の比が黄金比になっています。
正五角形の対角線は他の対角線を黄金比に分割しています。例えばACがBEを黄金比に分割しています。その黄金比を求めてみましょう。FE=1としたときのBFを求めてみます。
BFをxとします。
△BFA∽△BAE(2角相等)より、BF:BA=BA:BE で BF=x, BA=AE=FE=1 から
x : 1 = 1 : (x+1) を解くとx=(-1+√5)/2 (x>0) ≒0.618 となります。
長方形の場合も考察してみます。長方形ABCDから正方形ABEFを切り取った残りの長方形DFECが元の長方形と相似なので、縦ABを1としたときの横ADを求めてみます。
ADをxとします。AB:DF=BC:FE から 1 : (x-1)= x : 1 を解いて
x=(1+√5)/2 (x>0) ≒1.618 となります。
え?2つの答えが違う?
はい、これは基準による違いなので実質おなじです。実際
(-1+√5)/2 : 1 →両方に (1+√5)/2 を掛けると→ 1 : (1+√5)/2
となるので同じ結果ですね。黄金比というと (1+√5)/2≒1.618 の方が知られているかと思います。
最後に、もっとも解りやすい黄金比を見せます。それは縦2横1の長方形を対角線を半径とする円を描くと黄金比が現れます。
点Dを中心に半径BDの円を描いて得た長方形ABA'B'の縦と横の比 2 : (1+√5) が黄金比です。2で割れば 1 : (1+√5)/2 になっていますね。この画像のサイズも黄金比のように思います。どうですか。名刺だけでなくスマホやパソコンも黄金比かな?
この黄金比にピタゴラス学派が興味を示した最初が何かは分かりませんが、正五角形の対角線を引くと五芒星が現れると同時に正五角形も現れるところのに興味を示したと思います。私の場合は、五芒星(星形)が一筆書きできることを知ったときに感激したのを覚えています。幼心は大切だと思います。▢
補遺
正五角形の図で対角線ADはFEをも黄金分割しています。各自で確かめてみてください。
この正五角形を円を用いて書きましたが、正五角形は作図可能です。
参考文献 J.タバク『はじめからの数学1 幾何学 ー空間と形の言語ー』(青土社)
※ この本ではピタゴラス学派でなく、ピュタゴラス学派と表記しています。ピタゴラスを使っている理由は「ピタゴラスイッチ」がよく知られているからです。
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