2021/04/10

数を発見された順に並べてみると…驚きの結果!

問題です。気楽に答えてみてください。

知らない数も含まれていると思いますが、次の①~⑨で知っている数だけについて、あなたたち人類が発見した順に並べてみてください。知らない数を並べるのは無意味です。クイズではありませんし、テストでもありません。ただ、「へーっ」て感じてもらいたいのです。私自身、以前に少し調べて、「へーそーなんだー」と感心したからです。それを味わってもらいたいのです。だから、私の答えは完璧ではありません。その時代に生きていませんから。ドラえもんがいたら、タイムマシンで数の発見の旅に行けるのですが。

だからもし、「数の歴史に詳しく発見の順を知っているなら、答えに誤りがあったら指摘してください。」みんなで「へー」を分かち合いましょう。

①「1,2,3」   ②「0」(位取り記数法)    ③「1/2, 3/5」

④「0.1, 1.5」    ⑤「-2, -5」             ⑥「円周率π(パイ)」

⑦「√2,√3」           ⑧「自然対数の底e」     ⑨「i (虚数単位)」


次の順で文献を調べました。(蔵書のみ 他にも関係ありそうなものを用意したけど)

岩波数学辞典(第3版)
小川束,平野葉一共著『数学の歴史』(朝倉書店)
中村幸四郎著『数学史』共立全書
ジョン・タバク著『はじめからの数学3 数』(青土社)
黒木哲徳著『なっとくする数学記号』(講談社)
エビングハウスら8名の共著『数 (上)』(シュプリンガー・フェアラーク東京)
(8名の共著だけのことはある。P進数が書かれていたから購入した本なのに 驚)

次を結論とします:①, ③, ⑦, ⑥, ④・⑤, ②, ⑧, ⑨.
※ 東洋と西洋で異なることは知っていたので、「人類」を大前提としました。
♪ 分数は早くから使われていましたが、分数の概念を人類の叡智として得たのは、可換環が
 整備された20世紀だと主張する数学者もいます。

①自然数は人類誕生前の鳥も知っていたといわれています。
③分数は早くから使われていました。
⑦ピタゴラスは無理数を怖れたらしい。
⑥近似値を用いていました。
④・⑤中国数学の『九章算術』。紀元1世紀にはまとめられていて、小数・負の整数が書かれていたたらしい。赤字・黒字(負の数・正の数)は今でも伝えられていますね。
②位取り記数法の発見によって、たった10個の記号で、想像もできないくらい大きい数も表現できます。岩波新書(赤)『零の発見』は今でも読まれています。
⑧対数表を作った時に、ネイピアは想定していたようです。
⑨オイラーが使い始めだそうです。■

※ 西洋では、負の数・小数をなかなか認めなかったらしいのです。
    15世紀以降に徐々に使われはじめたようです。

岩波数学辞典、学部生の頃は使いこなせなかったのに、いまはとても便利です。wikiでは、自分の専門に関しては不足を感じるので、日本の数学者たちの汗の結晶である数学辞典は重宝しています。第2版の頃とは雲泥の差の量で、現在は第4版が出ています。一人で何もかも知るのは不可能なのは、ぺらぺらとめくっただけで判断できます。何でもそうだと思いますが、知れば知るほど無知であることを自覚します。「ほとんど、何も知らんなあ」と。
だから、おもしろいのだと思います。ゲームでも似たものがあるのではないでしょうか。パーティを組んで、いざ冒険の旅へ。▢

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ちょっと・・・それは・・・ ~ 定義とその周辺の話 ~

内容的には高校数学なのですが高校生には難しいと思います。ただ高校生であっても定義・定理(命題)・公理の区別が出来ているのであればおもしろいと思うし、数学教師志望の教育学部や数学科の学生には興味深い話だと思います。 現在、 『数学事始め』 では指数関数・対数関数の話をしています...